ビオトープ

バイオトープ(biotope、英語)とも表記し、生物群集の生息空間を示す言葉である。日本語では生物空間、もしくは生物生息空間とも略される。

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ビオトープ

日本では、1990年代から環境共生の理念のもとで、環境改善の意味合いで行われるようになり、多自然型川づくり、ミティゲーション(開発事業による環境に対する影響を軽減するための保全行為)、里山保全活動などの取り組みなどとともに、全国各地で繰り広げられてきた。ただしドイツで生まれた概念であるビオトープがいつどうだれによって日本にもたらされたのかはよくわかっていない。

ビオトープとは生物の住息環境を意味する生物学の用語であるが、前述の通りドイツで生まれた概念であり、ドイツ連邦自然保護局ではビオトープを有機的に結びついた生物群。すなわち生物社会(一定の組み合わせの種によって構成される生物群集)の生息空間と位置づけている。別の表現をするならば「周辺地域から明確に区分できる性質を持った生息環境の地理的最小単位」であり、生態系とはこの点で区別される。つまり、ビオトープ(環境)とその中で生息する生物群集(中身)によって、生態系は構成されていると言うこともできる。

したがって、生態系 (ecosystem) やハビタット (habitat) とほぼ同義的に解されるが、現実的にはビオトープの場合、人工的に形作られた河川などの流路形態をより自然に近い形に戻し、それによって多様な自然の生物環境を修復させるというような、生息環境基盤の修復によって形成された生態系を意味するものとして使われる例が多い。

現在日本において、「ビオトープ」と言えば、池や流水を作り、そこに生物を住まわせるものとの認識が広がり始めているとみられているが、ビオトープの概念には、池とか水辺などと言った意味はいっさい含まれない。ビオトープという言葉は日本では本来の意味からかけ離れたところで用いられることが多くなった。

日本における人里の環境は水田耕作を中心とした水の多い環境であり、第二次世界大戦後の今日までの歴史の中で身近に見かけられる人里の環境のなかで最も破壊が進んだのが「水辺環境」であった。河岸は護岸工事で固められ、川の水は水質汚濁が進み、また、水田は圃場整備事業によって広いが単純で生態系に乏しいものとなり、水路からは切り離され、水路は単なる側溝となりさらに農薬散布がこれに被さり、昔は身近に見られた多くの生き物が姿を消す。

このため、平成元年度からの旧建設省の多自然型川づくりの推進で、河川を自然環境媒体の視点からみることになる、さらに河川法の改正などで非常に多くの場合に、それが水辺に関わる活動になる。水辺環境ならば人々に喜ばれるものである、という視点があるとみられた。こうした環境を取り戻す方法として、ビオトープを取り上げ、対象に水辺を含ませる。水辺環境はちいさなものであっても作りやすく、池を掘って一年もすれば普通種のトンボは入って、地域によってはカエルも集まる、そこへメダカを少々と水草を入れれば、これで十分に子供が喜ぶ環境ができあがるが、同じような生物が豊かに見えるものを陸上で作ることは非常に困難であり時間もかかる。

これがさらに転じて、庭に水草栽培セットを持ち出すものをビオトープという例が出てきた。園芸店などには、ビオトープセットと称して、外来水草を栽培するセットを売っている例もある。もはや、本来の意味は失われて、単なる水草栽培を意味する場合すらある。また、学校での取り組み例にも、安易に業者に任せて、他地方の水草を持ち込んだり、外来種を導入したりと、本来の意味からはかけ離れたものを散見する。

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